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第 167 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2005年 10月 3日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 B棟 講堂

発表者:小山 博司 (大循環力学講座 M2)
題 目:大気長周期変動が日本域の延長予報へ与える影響

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大気長周期変動が日本域の延長予報へ与える影響 (小山 博司) 発表要旨 :

  
 内容: 
 週間予報の期間後半の予測精度は,それほど良いとは言えない.時間スケール 
 を考えると,これは,総観規模擾乱に加えて,長周期変動の予測が上手くいっ 
 ていないことに起因すると理解できる. 
  
 Kimoto et al.(1992)は,1988年冬における週間予報の予測精度には,日々の 
 変動だけでなく,一週間以上の長周期変動が見られることを述べた.そして, 
 予測精度が悪いときは,大気の流れが東西的な状態からブロッキング状態に 
 遷移するときに対応することを述べた.ブロッキングの発生時において予測 
 精度が悪いことは,その後も,Pelly and Hoskins(2003)によるECMWFのアン 
 サンブル数値予報を用いた研究など,多くの研究がなされており,ブロッキ 
 ングが発生する直前の場が初期値に対しての敏感性が高いことなどに起因す 
 ると考えられている. 
  
 しかし,日本から遠く離れた場所で起こるブロッキングが日本域の週間予報 
 の予測精度にどのように影響するかは,必ずしも明らかではない.また,日 
 本域へ影響を与える長周期変動としては,ブロッキングだけではなく,ジェ 
 ット上を伝播する準定常ロスビー波 (Hoskins and Ambrizzi 1993)が挙げら 
 れ,これが日本域の週間予報へ与える影響に関しての研究は,まだあまりさ 
 れてはおらず,はっきりとした結論は出ていない. 
  
 本研究では,大気長周期変動が日本域の予報へ与える影響について,気象庁 
 週間アンサンブル数値予報のGPVデータを用いて解析を行う.今回の発表では, 
 2005年の冬における日々の予測精度を示すと共に,予測精度が特に悪い事例 
 について,ブロッキングおよび上記の準定常ロスビー波との関連性に着目し 
 解析値と予報値を比較した結果を示す. 
  

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連絡先

古関 @北海道大学大学院環境科学院
地球圏科学専攻 / 大気海洋物理学・気候力学コース
mail-to:k-shunya@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2372