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第 132 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2002年 6月 3日(月) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104

発表者:山口 裕康 (気候モデリング講座D1)
題 目:WOCEのP2線における地球化学諸量の南北フラックス

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WOCEのP2線における地球化学諸量の南北フラックス (山口 裕康 ) 発表要旨 :

  
  WOCEのP2線(北太平洋の北緯30度線)における地球化学諸量の南北 
 フラックスを求めるにあたり、P2線を黒潮域と内部領域に分けてそれぞれ 
 の南北フラックスを計算した。まず、黒潮域と内部領域の地衡流速を求め 
 た後、それぞれの流量が釣り合うように黒潮域の地衡流速に適当な順圧流 
 を加え、次に、求めた地衡流速と黒潮域と内部領域の採水データを用いて 
 30Nを横切る化学諸量の南北フラックスを求めた。 
  30Nより北部の海域で淡水供給が蒸発を上回り、その大きさは0.26Sv程度 
 となる事、CFC11が北の冷たい海で吸収され南に輸送されている事などが 
 確認出来たが、二酸化炭素のフラックスは北向に0.46GtC/yrとなり、 
 Takahashi et al.(1999)が見積もった北太平洋のおける大気から海洋への 
 炭酸ガスの吸収量と比較すると、同じオーダーであるが逆符合となった。 
  
  そこで本研究では、黒潮域の地衡流速に加えた順圧流と、黒潮域の採水 
 データとしてP2線の観測時期とは異なるP9線(東経137度線)の採水 
 データを用いたことに着目し、南北フラックスを再計算することを試みた。 
 まず、加える順圧流は変化させず、黒潮域の採水データとして新たに 
 得られたP2線の観測データを用いて南北フラックスを求めた。次に、 
 Imawaki et al.(2001)の黒潮域の流量の鉛直分布と比較して、加える 
 順圧流を決め、P2線の採水データを用いて南北フラックスを求めた。 
 採水時期、場所、加える順圧流を変えて再計算した南北フラックス 
 について報告する。 
  

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連絡先

近本 めぐみ @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻大循環力学 / 気候モデリング講座
mail-to:meg@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2298