****************************************************************************************************************

第 126 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ

日 時:2001年 11月 27日(火) 午後 16:30 〜 17:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104

発表者:高島久洋 (気候モデリング講座 M2)
題 目:SHADOZ オゾンゾンデデータを用いた熱帯上部対流圏および下部成層圏のオゾン分布に関する研究

****************************************************************************************************************

SHADOZ オゾンゾンデデータを用いた熱帯上部対流圏および下部成層圏のオゾン分布に関する研究 (高島久洋) 発表要旨 :

  
 対流圏-成層圏の大気の輸送は、熱帯で主に上昇、中・高緯度で下降流である 
 Brewer-Dobson 循環的な流れと、中緯度での混合過程がある。前者は熱帯対流 
 圏界面をまたぐ輸送過程であるが、その輸送過程の、下部成層圏の乾燥状態および 
 成層圏の水蒸気増加傾向などをどのように説明するのかというメカニズムは理解 
 されていない。近年、対流圏界面を面としてではなく厚みをもった層(Tropical 
 TropopauseLayer; TTL)としてとらえ、その層内での水平混合の理解が重要で 
 はないかと考えられるようになった。そこで本研究では鉛直分解能に優れた 
 1998-2001 年のSHADOZ(Southern Hemisphere Additional Ozonesondes) オゾン 
 ゾンデのデータセットを用い、TTL の季節変化および経年変動について、経度的な 
 特性に着目し解析を行った。オゾンは上部対流圏で比較的光化学的寿命が長く、 
 トレーサーとして用いることが可能であり、物質的な境界を考える上で都合がよい。 
  
 基本的に週1回程度の観測をおこなっている SHADOZ 観測点のうち10 地点 
 (5.8N-18.1S) について解析をおこなった。 
  
 まずオゾンの経度・高度断面の季節変化について、経年変動(ENSO, QBO) 
 の影響は考えずに調べた。TOMS や SAGE などの衛星観測から得られるオゾン全量、 
 もしくは対流圏オゾン全量で特徴付けられている、経度0度付近に最大値を持つ波数 
 1構造が見られたが、これは大規模な対流活動の経度依存性によるものと考えられる。 
 その依存性について 混合層でのオゾンシンクの空気塊がどの高さまで混ざってい 
 るかをみるために、地表面付近での相当温位が上部対流圏で一致する高度について 
 調べた。その結果 Folkins et al, 1999 で指摘されているように、オゾン増大高度と 
 相当温位の位置する高度の対応が良い観測点も存在したが、むしろ一致しない観測点 
 が多かった。これは逆転層の形成や、実際の対流活動の活発性に依存するためと 
 考えられる。またオゾンの増大がはじまる高度について、温度鉛直構造と比較した。 
 その結果、季節・経度的に良い対応があることがわかった。 
   

-----
連絡先

江川 晋子 / 稲津 將 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻大循環力学 / 気候モデリング講座
mail-to:egawa@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2298