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第 107 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:2001年 2月 21日(水) 午後 16:30 〜 18:30
場 所:地球環境科学研究科 C棟 C104
発表者:阿部 豊 (東京大学大学院理学系研究科 助教授)
題 目:大気大循環モデルを用いた火星古気候の検討:自転軸傾斜の変動が及ぼす影響
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大気大循環モデルを用いた火星古気候の検討:自転軸傾斜の変動が及ぼす影響 (阿部 豊) 発表要旨 :
火星表面には流水地形が多く見られ、過去において活発な水循環が 起こっていたことが推測される。これらの流水地形はかつて火星が 温暖であった証拠として議論されることは多かったが、水循環とい う視点からの検討は行われてこなかったと言って良い。本研究は大 気大循環モデルを使用して、火星を模擬した天体上での水循環を検 討したものである。天体力学的な議論から火星の自転軸が大きく傾 いた時期があったことが示されているが、水循環の様態は自転軸の 傾斜によって大きく影響を受け、自転軸が大きく傾いたときには現 在とは異なる気候状態にはいることが示された。本研究の結果は、 現在見られているような流水地形を作るためには、単に過去の火星 が温暖湿潤であっただけでは不十分で、自転軸が大効く傾いたこと が重要であったことが示唆する。
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