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第 31 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウム のおしらせ
日 時:1999年 6月 14日(月) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講堂
発表者:野口 英行 (大循環力学講座 D2)
題 目:風速-蒸発-海面水温フィードバックに見られるモードの特徴
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風速-蒸発-海面水温フィードバックに見られるモードの特徴 (野口 英行) 発表要旨 :
熱帯大西洋では2種類の海面水温(SST)変動が存在する. 一つは赤道 に振幅の中心を持つ東西方向の経年変動で, 熱帯太平洋でよく知られ ているエルニーニョ型の変動である. もう一つは, 北半球で SST が 上がる(下がる)と南半球で下がる(上がる)ような南北反対称のシーソ ーパターンを形成し, 10年程度の時間スケールで振動している. こ の南北シーソーは, その空間パターンから SST Dipole と呼ばれてい る. SST Dipole は熱帯大西洋だけにみられる現象で, なぜ熱帯太平洋 には現れないのかという問題は非常に興味深い. SST Dipole の成長メカニズムには海洋の力学場は重要ではなく, 風速- 蒸発-海面水温の間に働く正のフィードバックが重要であることが分か ってきた. そこで, 大気方程式に SST 方程式を結合させ, 固有値解析 によりどのような SST のモードが存在するのかを調べた. 発表ではモ ードの特徴に触れ, 「なぜ SST Dipole が熱帯太平洋には現れないの か」という問に対して, モードの波数依存性から説明を試みる. また, 計算が間に合えば, 海洋の力学を考慮した場合の結果も併せて お見せする予定である.
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