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第9回 大気海洋物理系 B 棟コロキウムのお知らせ

日 時:1998年 7月 6日(月) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講義室

発表者:荒井 美紀 (気候モデリング講座 D2)
題 目:ブロッキング現象の維持・形成機構の解明に向けての数値モデルの構築

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発表要旨:

対流圏中高緯度の大気の変動には「ブロッキング」と呼ばれる、地理的に同 じ場所に出現する地域性、よく似た流れの形態が再び現れる再現性、一週間以 上に渡る持続性を持った現象が存在することが知られている。こうした性質か らブロッキングを大気の持つ幾つかの定常状態のうちのひとつと考えた Charney and Devore(1979) 以降、簡素化された数値モデルを用いた研究が行わ れ、多くの知見を得た。

しかし、これらの研究で用いられた数値モデルは、水平解像度が粗く、その 上で提出された力学概念を現実と対比して議論していくには限界がある。特に 総観規模の擾乱はブロッキングの生成・維持・消滅に重要な役割を果たしてい るものと考えられているため、それらをより現実的な数値モデルで表現するこ とは、これまでの簡素化された数値モデルでの研究において提唱されてきた力 学概念を、現実の大気中におけるブロッキング現象の理解に適用するために必 要である。

作成したのは、東西・南北波数20のスペクトルモデルで、順圧を仮定してい る。基本となる方程式には Pierrehumbert and Malguzzi(1984) による数値実験 に基づき、消散項と強制項がバランスしている準地衡流渦位方程式を用いた。 この方程式の非発散・非粘性形では解析的な厳密解としてモドン解(南北に 反対称な渦対を持つ)が知られている。そこで、f面で、初期値としてモドン 解と東西一様流を数値モデルに与え、二通りの時間発展の様子を計算した結果、 モドン解と振幅の小さい渦の二つの解が同時に存在することが確認された。

※ 次週 7/13(月)は,笹井(気候モデリング D2)の予定.

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連絡先

岡田直資 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻気候モデリング講座

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