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第 25 回 大気海洋物理系 B 棟コロキウムのお知らせ

日 時:1998年 12月 11日(金) 午後 4:30 〜 6:30
場 所:地球環境科学研究科 管理棟 2F 講堂

発表者:永倉 真紀 (大循環力学講座 M2)
題 目:thermocline中の惑星波について、初期擾乱およびforcingを与えた場合 \

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thermocline中の惑星波について、初期擾乱およびforcingを与えた場合 \ (永倉 真紀) 発表要旨 :

 Deser.,et al(1996)などによって報告されているように、中緯度大気の変動の 
 影響(1970年代半ばからの10〜数10年スケールの風の場の変動)が、海洋中に 
 ventilateされるような現象が見られる。 
 そこで、海洋亜表層の水温躍層に、海面で生成された低温のanomalous waterが 
 サブダクションしていることから、等密度面に沿った水塊の沈み込みを追跡す 
 ることによって、亜熱帯循環域での気候シフトの影響が、熱帯域に及ぶ時間 
 スケールを見積もれることが示唆された。 
 しかし実際は、循環場が大気強制によってスピンアップし、傾圧性のロスビー波 
 として励起されたものの伝播を追跡している可能性がある。 
 そこで、海洋は大気変動(forcing)に対してどのように応答するのか?を知りたい。 
  
 Liu(1998,manuscript)は、QGの2.5層モデルでWKB近似を用い、rayを追うことに 
 より、大気変動の影響は、2つの波動により、西方(N-mode)と、2層目のポテン 
 シャル渦度の等値線に沿う方向(A-mode)の2方向に運ばれることを示した。 
 また、Liuの結果によると、強制を与え始めてから生じる非定常場の発展では、 
 We forcingによってもWd forcingによっても、両方の波が発生する。が、定常解 
 ではWe forcingに対してはN-mode、Wd forcing に対してはA-modeの影響しか現れない。 
  
 基本場として、2.5層定常ventilated thermocline(LPSモデル)で考える。 
 今回は、局所モデル(基本場を一様に与えた領域)において、forcing を与えた場合 
 に生成される波動の挙動を示し、初期擾乱としてガウシアン渦を与えた場合との 
 比較も含め、示す予定。 

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連絡先

岡田直資 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻気候モデリング講座
mail-to:taniro@ees.hokudai.ac.jp / Tel : 011-706-2372