第16回 大気海洋物理系 B 棟コロキウムのお知らせ
日 時:1998年 10月 7日(水) 午後 3:30 〜 5:30
場 所:地球環境科学研究科 A棟 803A
発表者:喜多 昭夫 (大循環力学講座 M2)
題 目:96/97北半球冬季極渦周辺における微量成分の分布の解析
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発表要旨:
成層圏において、平均循環による南北移流のタイムスケールより長い寿命を持 つ安定な微量成分の分布は、子午面循環による移流と、等温位面に沿った準水 平方向の混合、化学的消滅/生成のバランスで近似されることをHolton(1980) が示した。このように分布するある二つの微量成分の関係をscatter plotで見 た時(Plumb & Ko(1992))、光化学の効いていない領域においてはほぼ線形関係 であり、例えば、極渦内部のPSCによるHNO3の取り込みが起こっている(脱窒) 領域、オゾンの破壊が起こっている領域などの光化学の効いてくる領域におい てはその関係が崩れてくることがみられる。そこで、1996年打ち上げられた衛 星「みどり」に搭載されたいたILASによって取得されたデータを用い、96/97 の北半球冬の極渦周辺におけるいくつかの微量成分の関係を解析し、その関係 に現れる現象を細かく見ていく。今回の発表ではバックグラウンド等について 話す予定。-----
岡田直資 / 谷口 博 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻気候モデリング講座