第１５回 大気海洋物理系 B 棟コロキウムのお知らせ

日　時：1998年 9月 21日(月) 午後 4:30 〜 6:30
場　所：地球環境科学研究科 管理棟 2F 講義室

発表者：伊藤 頼 (大循環力学講座 M2)
題　目：中規模スケール渦の挙動と2.5層 FCT プリミティブモデルのチェックの結果

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発表要旨:

β平面上で、海洋の中規模の水平スケールを持つ孤立渦が西に進むことに関して、そ
の伝播速度の理論的な解はNof(1981),Killworth(1983)などで得られている。また、
Flierl(1984)では2層モデルで上層に孤立渦を考えた場合、この渦が下層にロスビー波を
励起し、それによりエネルギーを奪われた渦は北半球では南に向かうことが示された。
Morel & McWilliams(1997) は準地衡流モデルで鉛直方向にポテンシャル渦度のアノマリ
があるような渦(S-vortex)を初期値として与え、この渦が複雑な動きをしながらも、
南に進むことを示した。
修論では、2.5層プリミティブモデルを使い、上層に渦を与え、下層との密度境界面が
海面に露出した場合を考え、その振る舞いを調べてみたい。
今回は、Flux-Corrected Transport Scheme を組み込んだ2.5層モデルのチェックと
して、ロスビー波の位相速度と傾圧不安定の成長率を計算してみたので、その結果を
発表する。また、渦の挙動の結果もいくつか得られたのでそれらも示す。

岡田直資 / 谷口 博 ＠北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻気候モデリング講座