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第 373 回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日 時: 7月 27日(木) 午前 10:30 - 12:00
Date : Thu., 27 Jul. 10:30 - 12:00
場所 :環境科学院 2階 講堂
Place:Env. Sci. Bldg. D201

発表者:大西 晴夏 (大気海洋物理学・気候力学コース / D3)
Speaker:Haruka Onishi (Course in Atmosphere-Ocean and Climate Dynamics / D3)
題目:渦位アノマリに駆動される西岸境界流続流ジェットの構造に与える背景流の効果 ­
Title:Effects of background flow on characteristic structures of the western boundary current extension jet driven by vorticity anomaly ­

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渦位アノマリに駆動される西岸境界流続流ジェットの構造に与える背景流の効果
Effects of background flow on characteristic structures of the western boundary current extension jet driven by vorticity anomaly
大西 晴夏 (大気海洋物理学・気候力学コース / D3)
発表要旨:

西岸境界流続流ジェットは、亜熱帯循環における西岸境界流が、岸に沿って流れた後、循環内部に向け離岸した流れであり、南北に再循環構造を伴っている。いくつかのモデルによる再現実験では、循環境界よりも低緯度側でジェットが離岸するものも現れることが知られている(Haidvogel et al. 1992等)。この早期離岸の解は、西岸の摩擦でできた正の渦度が、渦位を保存して極向きに移流されてきた負の渦度と対をつくり離岸を引き起こしたため、と考察されている。本研究は、このような西岸域における渦度構造が、離岸及び西岸境界流続流ジェットを形成していると考え、新しく西岸域に対となる渦位強制を与えたモデルを提案する。このモデルの利点は、風の強制による流れと西岸境界流の続流ジェットを分離して扱えることである。本モデルの妥当性を、Sue & Kubokawa (2015)で示された早期離岸の解を再現することで確認した。渦対強制モデルによるジェットは、上流域と下流域で基本的な物理構造が異なった。下流域におけるジェットの構造は流入流出モデルで再現されたものに似ているが、上流域における構造には渦対の侵入が重要であった。渦対強制モデルのジェットは、背景流が東西成分だけの状態では、ジェット領域が経度方向に非常に長くなる。一方、Sue & Kubokawa (2015)の解の再現では背景南下流が存在する領域で急激にジェットが終了している。理論と解析の両方から、南下流はジェットの長さを縮める効果をもつことがわかった。

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連絡先

水田 元太
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