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第 371 回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日 時: 7月 20日(木) 午前 10:30 - 12:00
Date : Thu., 20 Jul. 10:30 - 12:00
場所 :環境科学院 2階 講堂
Place:Env. Sci. Bldg. D201

発表者:佐伯 立 (低温科学研究所 / 博士研究員)
Speaker:Ryu SAIKI (Institute of Low Temperature Science / Postdoctoral Fellow)
題目:オホーツク海の温暖化実験 ­
Title:Warming experiments of the Okhotsk Sea ­

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オホーツク海の温暖化実験
Warming experiments of the Okhotsk Sea
佐伯 立 (低温科学研究所 / 博士研究員)
発表要旨:

今回の発表の前半は環境省の推進費でおこなってきた知床周辺の将来予測に関する数値実験について報告する. 本研究では領域海氷-海洋結合モデルを用いてオホーツク海の最近26年間の海氷分布の変動を再現し,それをベースにCMIP6から得た温暖化差分の情報を乗せ温暖化実験をおこなった. その結果, 少氷年ベースの場合は道東沿岸に海氷が接岸しない可能性もあることが分かってきた. また, 当初我々の用いた1/10度モデルの海氷分布の経年変動のオホーツク海全体では概ねよく一致するものの, オホーツク海南部サハリン南端のアニワ湾における海氷分布を過小評価する傾向にあった. そこでこの領域を中心に1/50度にネスティングしたモデルを用いることで海氷が張り出すようになった結果やCMIP6のモデル間のバイアス等を考慮した実験についても紹介する.
後半はオホーツ海の海氷分布の年々変動を決める可能性のあるオホーツク海結氷前の日本海側のプレコンディショニングに注目して最近26年間の多氷年と少氷年を定義したうえで各年に対応する表層水温・塩分の偏差が宗谷暖流が道東沿岸伝いにオホーツク海に流れ込む経路に沿って顕著なシグナルとして現れることを提示し,日本海側の温暖/寒冷化が特にオホーツク海南部の少/多氷年に関係する可能性について議論する.

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連絡先

水田 元太
mail-to: mizuta__at__ees.hokudai.ac.jp
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