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第365回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日 時:10月20日 (火) 10:30 - 12:00
Date :Thu, 20 Oct. 10:30 - 12:00
場所:低温科学研究所 3階 講堂
Place :Institute of Low Temperature Science, 3F, Auditorium

発表者:川島正行 (低温科学研究所)
Speaker:Masayuki Kawashima (Institute of Low Temperature Science)
題目:沿海州風下の筋状降雪雲の半日・1日周期振動について ­

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沿海州風下の筋状降雪雲の半日・1日周期振動について
川島正行 (低温科学研究所)
発表要旨:

寒気吹き出し時、ロシア沿海州の風下の筋状降雪雲はしばしば蛇行し、 北海道西岸部に周期的な降雪をもたらすことが古くから知られていた。 数日間継続する寒気吹き出し時について、衛星やレーダのデータを調べると、 筋雲が半日、および1日周期で振動することが確認できる。 この振動は、大陸上での下層風の日変動に起因していると考えられるが、 その具体的なメカニズムを明らかにするため、領域大気モデルによる再現実験と、 多層線形モデルおよび日本海上の対流混合層を模した1.5層浅水波モデルを用い た 応答実験を行った。 寒気吹き出し時、大陸上では、運動量の乱流混合の日変動に伴い、半日・1日 周期の風速変動が生じ、沿海州の海岸付近では発散の変動が起こる。 これにより、慣性重力波が励起される。また陸上での熱の乱流混合の変動に伴い 渦位アノマリが生じ、半日・1日周期の渦が日本海上に移流する。 筋状降雪雲の振動をもたらす風速変動は、これらの擾乱の重ね合わせで説明でき るが、 波の効果の方がより支配的であることが分かった。

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連絡先

川島 正行
mail-to: kawashima__at__lowtem.hokudai.ac.jp
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