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第354回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日 時:10月21日 (木) 9:30 - 12:00
Date :Thu., 21 Oct 9:30 - 12:00
ツール:Zoom (Online)
Tool :Zoom (Online)

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発表者:塚田大河(大気海洋物理学・気候力学コース/D2)
Speaker:Taiga Tsukada (Faculty of Environmental Earth Science/D2)
題目:静止気象衛星を用いた台風強度推定に向けてーSAR海上風との比較検討ー­

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静止気象衛星を用いた台風強度推定に向けてーSAR海上風との比較検討ー
塚田大河(大気海洋物理学・気候力学コース/D2)
発表要旨:

台風内部コア領域の風速構造を監視することは,台風力学の理解や台風 強度推定において重要である。近年の静止気象衛星の飛躍的な性能向上を受け ,我々は従来よりも物理的な解析に基づく台風の強度推定手法の確立を目指し ている。Tsukada and Horinouchi (2020)は最新の静止気象衛星による台風 高頻度観測データを利用し,台風の眼を中の下層風を推定する手法を開発した。 しかしながら,台風強度の指標として利用される最大風速は壁雲内の下層に位 置するため,静止気象衛星に搭載された可視赤外イメージャからは観測できない。 近年,低軌道衛星の C-band SAR観測において,異なる偏波の情報を結合するこ とで強風下でも飽和することなく海上風をリトリーブする手法が開発された (Mouche etal.,2017; 2019)。これにより,静止気象衛星では見えない壁雲下 の風速分布が面的に明らかとなった。そこで本研究では,静止気象衛星による台 風強度推定に向け,静止気衛星から監視可能な「眼の半径(Reye)」と,SAR 海上風から算出される「最大風速半径(RMW)」の関係を調査した。 静止気象衛星の赤外画像とSARの海上風データをそれぞれ台風中心を投影中心と する正距方位図法に投影することで位置合わせを行った。独自の定義により赤外 画像から決定した眼の半径Reye と,SAR 海上風の軸対称成分から決定した最大 風速半径 RMW の比較から,RMW [km] = −0.01 + 1.02 Reye[km] という回帰 式を得た。その平均絶対誤差は 3.56 kmであった。

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連絡先

安成 哲平
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