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第289回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日 時: 12月 6日(火) 10:30 - 12:00
Date : Tue., 6 Dec. 10:30−12:00  
場 所: 低温科学研究所 2階 講義室 (215) 
Place : ILTS 2F lecture room (Room No. 215) 

発表者:升本 順夫(東京大学理学系研究科/教授)
Speaker:Yukio Masumoto(The University of Tokyo/Professor)
題名:インド洋熱帯域のスケール間相互作用

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インド洋熱帯域のスケール間相互作用  (升本 順夫 Yukio Masumoto)

発表要旨: インド洋熱帯域における表層海洋変動の研究では、これまで個々の現象 に対する詳細な記述やメカニズムの同定に関して多く行われて来たが、最近はこ れらの現象が互いにどう関連しているのか、それによって互いにどのような影響 を受けているのかを調べる研究が多くなっている。例えば、インド洋で顕著なモ ンスーンに伴う季節変動と経年変動や平均循環場との関連、中規模渦が平均循環 場やトレーサー分布に与える影響、大気の季節内擾乱に伴う海洋変動と季節や経 年変動との関連、大規模循環場が不安定現象を通じて中規模渦の活動度に及ぼす 影響などである。 本セミナーではそれらの一例として、季節内変動としての赤道波動が平均的な 赤道湧昇を引き起こしている可能性を紹介する。高解像度モデルOFESの結果や特 定の領域・周期の外力を用いた数値実験結果から、10~数十日周期の混合ロスビー 重力波に伴う水平熱移流が赤道上での加熱をもたらし、赤道湧昇による冷却とバ ランスしていることが示唆された。このことは、インド洋内の南北熱循環との関 連や海洋気候モデルのバイアスなどの視点からも興味深い。

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連絡先

川島正行 (Masayuki Kawashima)
mail-to: kawasima@lowtem.hokudai.ac.jp