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第261回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日　時： 10月16日(木) 午前 09:30
場　所： 環境科学院 D棟1階 D101号室

発表者： 稲津將 （理学研究院准教授）
Masaru Inatsu (Faculty of Science/Associate Professor)
題名： 低気圧追跡アルゴリズムの開発と応用
Development and application of cyclone tracking algorithm

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低気圧追跡アルゴリズムの開発と応用
（稲津將 Masaru Inatsu） 発表要旨 :

 新たに開発した低気圧追跡アルゴリズム(NEAT)について、その方法と使用例
 について解説する。低気圧の活動度はオイラー的な手法とラグランジュ的な手
 法に大別される。オイラー的な手法は、高周波成分の南北熱輸送や運動エネル
 ギーによって計量するが、個々の高低気圧の通過に立ち戻って議論することが
 できない。一方、ラグランジュ的な手法は低気圧中心の動的変化を追跡するも
 のが主流であるが、そのアルゴリズムおよびアルゴリズム中のパラメタに任意
 性が大きい。そこで本研究では低気圧中心の追跡ではなく、低気圧を連結閉領
 域と考えてその動的追跡のアルゴリズムを実装した。この手法により、従来の
 手法に比べチューニングパラメタ—は大幅に減少し、低気圧の併合や分裂も含
 む追跡が可能となった。
 本手法を中高緯度の低気圧形状の変化や、海洋中規模渦の併合分裂、台風の追
 跡に応用した。また、気象庁の気候診断ならびに低気圧がもたらす災害にかか
 わる研究機関との共同研究にも利用されつつある。
 本講演ではアルゴリズムと応用や発展について、比較的総花的な解説を行う予
 定である。
 
 

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