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第 178 回 大気海洋物理学・気候力学セミナー のおしらせ

日 時: 12月 13日(木) 午前 09:30
場 所: 環境科学院 2階 講堂

発表者:小山 博司 (大気海洋物理学・気候力学コース D2)
題 目:アンサンブル予報におけるモデル誤差の影響

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アンサンブル予報におけるモデル誤差の影響 (小山 博司) 発表要旨 :

 境界値の不正確さなどの要因によって生じる。アンサンブル予報はこれらの 
 要因による誤差を減少させるために用いられるものであり、その種類には 
 最も広く用いられる初期値アンサンブル、中長期予報や気候モデルに用い 
 られるモデルアンサンブル、季節予報などに用いられる境界値アンサンブル 
 などがある。いくつかある初期値アンサンブルの手法の中で、本研究で用いる 
 アンサンブル・カルマンフィルタは、現在は別々に行われているアンサンブル 
 予報とデータ同化(解析)を融合した手法であり、将来気象庁の数値予報モデル 
 に対しても適用が検討されている。 
  
  本研究で用いるモデルは Lorenz'96 (Lorenz and Emanuel 1998)で、 
 大規模および小規模スケールの2種類の変数、強制項、移流項、 
 減衰項を持ち大気大循環モデルを非常に単純化したモデルと考えること 
 が出来る。このモデルにアンサンブル・カルマンフィルタの一種である 
 Serial EnSRF(Whitaker and Hamill 2002)を適用し、作成された初期 
 摂動から現実大気で1か月に相当する期間先までの予報を行った。 
 その結果、モデルが不完全であることにより生じる誤差(モデル誤差) 
 は8日予報付近で最も大きくなった。また、不完全なモデルにStochastic 
 physics法(Buizza et al.1999) または マルチパラメータ法のような 
 モデルアンサンブルを適用すると10日から20日予報においてモデル誤差が 
 減少する傾向が見られた。 
  
  
   

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連絡先

深町 康 @北海道大学低温科学研究所
寒冷海洋圏科学部門 海洋動態分野
mail-to:yasuf@lowtem.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-7432