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第 137 回 大気海洋圏物理系セミナー のおしらせ
日 時: 10月 21日(木) 午前 9:30
場 所:低温科学研究所 新棟 3階 講堂
発表者:深町 康 (極域大気海洋学講座 助手)
題 目:オホーツク海北海道沿岸域における海氷の厚さの係留観測
発表者:長谷部 文雄 (大循環力学講座 教授)
題 目:Ecuadorにおける大気科学研究
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オホーツク海北海道沿岸域における海氷の厚さの係留観測 (深町 康) 発表要旨 :
海氷の厚さは、大気・海洋間の様々なフラックスを大きく左右 する重要な物理量であるにも関わらず、衛星リモートセンシング による計測が困難なため、そのデータは非常に限られているのが 現状である。本研究の対象海域であるオホーツク海北海道沿岸域 においても、海氷初期に砕氷船でのビデオモニタリング観測によ る氷厚データが存在するのみであり、季節内での厚さの変動につ いてのデータは全く存在しなかった。このような状況を踏まえて、 氷厚を連続的に測定するための超音波氷厚計とADCPの係留観測を、 98-99年の冬季から毎年行っている。今回は、最初の3年間に得ら れたデータの解析結果について発表する。これまでの解析で、こ の海域では熱力学過程ではなく、氷盤同士の重なり合いなどの力 学的過程によって厚さを増した海氷が卓越すること、季節内の氷 厚の変動には、海氷域の拡がりと同様に、年毎に大きな変化があ ることなどが明らかになってきている。
Ecuadorにおける大気科学研究 (長谷部 文雄) 発表要旨 :
2003年11月から2004年8月まで、文部科学省の在外研究員として、Ecuador 共和国Quito市にあるInstituto Nacional de Meteorologia e Hidrologia (INAMHI; 国立気象陸水研究所)に滞在する機会を得ることができました。 これを機に、現地における大気環境研究の発展に多少なりとも貢献しつつ、 1998年から推進してきた国際共同プロジェクト、Soundings of Ozone and Water in the Equatorial Region (SOWER)の発展を図る事が出来ました。 滞在中に新たに手がけた課題には、(1) エクアドルにおける気象データの 収集と解析、(2) エクアドル全土をカバーする天気予報のための数値予報 システム開発への協力、(3) 発電用ダムにおける河川流量予測法の改良な どがあります。これらは、まだ成果として結実するには至っていませんが、 現地からの協力要請に基づくテーマであり、今後も継続してゆきたいと考 えています。SOWERに関連した活動としては、(1) Galapagosにおける週1 回の定常的微量気体サンプリング、(2) INAMHIにおける地上オゾンの連続 観測、(3) 2004年3月のGalapagos集中観測、(4) Galapagosにおける第2回 SOWER国際会議の開催などがありました。今回のセミナーでは、これらの 活動について報告すると共に、Ecuadorにおける大気科学研究の現状につ いて紹介したいと思います。
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