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第 131 回 大気海洋圏物理系セミナー のおしらせ

日 時: 1月 22日(木) 午前 9:30
場 所:低温科学研究所 新棟 3階 講堂

発表者:木村 詞明 (低温科学研究所 寒冷海洋圏科学部門 COE研究員)
題 目:衛星データを用いた南極海の海氷変動の解析

発表者:稲津 將 (大循環力学講座 研究員)
題 目:南半球ストームトラックの東西非対称性

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衛星データを用いた南極海の海氷変動の解析 (木村 詞明) 発表要旨 :

  
 海氷の変動は大気・海洋場の影響を強く受けており、また逆に 
 大気や海洋に少なからぬ影響を及ぼしている。海氷が地球の気候 
 システムの中で果たす役割を知るためには、その変動機構、すな 
 わち、どこで生成し、どのように移流し、どこで融解しているか、 
 またそれらの量が何によって決定されているかを解明する必要が 
 ある。我々はその解明のために、主に人工衛星による観測データ 
 を用いて解析をすすめている。 
 今回は南極海の海氷域の変動について、マイクロ波放射計によ 
 る観測データを用いて行っている解析の結果について紹介する。 
 具体的には、海氷はどのような動きをし、それが何により決定さ 
 れているのか、海氷下の海流はどうなっているのか、どこでどれ 
 だけの海氷が生成されているのか、それぞれの海域の海氷面積は 
 はどこで生成した海氷によって増加し、どこで融解することによ 
 って減少しているのか等についてお話しする予定。 
  

南半球ストームトラックの東西非対称性 (稲津 將) 発表要旨 :

  
 昨年、英国レヂィング大学にて行ったホスキンス教授との共同研究について報 
 告する。 
  
 南半球では、地表面条件の東西非対称性が小さいにも関わらず、ストームトラッ 
 ク(移動性高低気圧の活動が盛んな領域)の東西非対称性は冬季(6月から8月)に 
 顕著である。北半球のストームトラックの東西非対称性は、山岳励起の定常波 
 により概ね説明される。しかし、南半球のそれは明確に説明されていない。そ 
 こで、本研究では、東西非対称な地表面条件の候補として、熱帯および中緯度 
 の各海面水温分布、アンデス山脈および南アフリカ丘陵の4つを選び、それぞ 
 れの効果を大気大循環モデルHadAM3を用いて調べた。どの効果がもっとも支配 
 的か、それは、発表当日のお楽しみ。 
  
 さらに、モデル実験の結果を、ECMWFの再解析データを用いて検証を試みた。 
 果たして、検証できたか、どうか。時間が許せば、これも述べるつもりである。 
  
 尚、発表冒頭で帰朝報告として、英国の雰囲気と共にキャンパスの様子もいく 
 らか紹介する事をお許し頂きたい。 
  

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連絡先

石渡 正樹 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋圏環境科学専攻 物理系
mail-to:momoko@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2359