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'00 大気海洋圏物理系M2所信表明セミナー のおしらせ

日 時:2000年 5月18日(木) 午前 9:30 〜 11:30
場 所:地球環境研究科管理棟 2F 講堂

発表者:小木 雅世 (極域大気海洋学講座)
題 目:オホーツク海海氷とアムール川流量の関係

発表者:Erwin Mulyana (気候モデリング講座)
題 目:Study of Indonesia Rainfall Variations in Association with ENSO.

発表者:山口 裕康 (気候モデリング講座)
題 目:WOCEのP2ラインデータを用いた、30°Nにおける流れに関する研究

発表者:前田 浩一 (気候モデリング講座)
題 目:オホーツク海高気圧の生成機構について

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オホーツク海海氷とアムール川流量の関係 (小木 雅世) 発表要旨:

  私達が住む地球には、わかっているようで 
 実はわかっていないことがたくさんあります。 
 その中でも、私はなぜ、オホーツク海という場所を選び、 
 なぜ、海氷とアムール川流量の関係について調べているのか、 
 また、その結果がどのようになっていて、 
 今後はどのような課題に取り組もうとしているのか発表します。 
  

Study of Indonesia Rainfall Variations in Association with ENSO. (Erwin Mulyana) 発表要旨:

 Indonesia have two season, there are dry season and rainy season. 
 Rainfall data from Indonesia Meteorology and Geophysical Agency  
 (61-93), Southern Oscillation Index (Trenberth, 1984), and ECMWF  
 have been calculated to find the correlation between rainfall and SOI. 
 During December to February in Indonesian island the rainfall is 
 high. On the contrary during June to August the rainfall is low. 
 In some year dry season have occured longer than usual due to ENSO. 
 The high correlation between rainfall and Southern Oscillation Index 
 is in Java Sea, Flores, South Sulawesi and Maluku. 
  

WOCEのP2ラインデータを用いた、30°Nにおける流れに関する研究 (山口 裕康) 発表要旨:

WOCE(World Ocean Circulation Experiment;世界海洋循環実験)は、
世界気候変動研究計画(WCRP)の一環として、気候変動に対する海洋
の役割を解明することを目的として行われた。そのため、全球の海
洋の高精度な観測によりデータセットを構築するとともに、海洋循
環モデルを開発して全球の海洋を記述しようとする目的があった。

そこで、北太平洋の30°Nを東西方向に観測したWOCEのP2ラインデー
タに着目した。なぜなら、太平洋亜熱帯循環系における大気海洋結合
系、あるいはそれを包含する気候システム全体の変動を理解するため
に重要と思われる北太平洋中層水(NPIW)や北太平洋亜熱帯モード水
(NPSTMW)が、この付近で見られるからである。

解析手法としては、最適内挿法を用いて統計的解析を行い格子点デー
タを構築したいと考えている。また、データ同化の手法を用いてP2線
における密度の南北勾配(∂ρ/∂y)を求めることにより、東西方向の
流れの再構築を行うつもりである。さらに、P9線などの観測結果と比
較対照することにより、その整合性を確かめ、30°Nにおける流れを解
明したい。将来は、大気との相互作用も視野にいれて、簡素なモデル
を開発したいと考えている。

オホーツク海高気圧の生成機構について (前田 浩一) 発表要旨:

  初夏のオホーツク海に現れるオホーツク海高気圧は、北日本や東日本
にやませによる長期の低温傾向をもたらす。米不足が話題となった1983
年や1993年の冷害も、このオホーツク海高気圧の持続によりもたらされ
たものである。
  しかし、オホーツク海高気圧の形成機構については、いまだ不明な点
が多く、ほとんど研究がなされていない。本研究では、オホーツク海高
気圧発生時の北半球全体の循環場の変動を調べることにより、形成の力
学過程を明らかにすることを目標とする。
  今回は、オホーツク海高気圧についてと形成時の循環場、特に上層の
ブロッキングとの関連について述べる予定である。

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連絡先

石渡 正樹 @北海道大学大学院地球環境科学研究科
大気海洋環境科学専攻気候モデリング講座
mail-to:momoko@ees.hokudai.ac.jp / Tel: 011-706-2359